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伝統の味・職人の技

志ば漬づくりの始まりは、
大原の自然が育む
「ちりめん赤紫蘇」づくりから。

土井志ば漬本舗の「志ば漬」には「ちりめん赤紫蘇」という大原で栽培される特産の紫蘇が用いられています。「ちりめん赤紫蘇」は葉の柔らかさや香り、色など、土井志ば漬本舗の「志ば漬」づくりにかかせない特性を備えています。一般的な紫蘇は他品種との交配が進み、原種に出会うことは難しくなりましたが、山に囲まれ、寒暖差の激しい大原の自然が古来の原種を守りつづけてくれました。現代は人や車の往来などが活発になっているため種の交配が進みやすく、土井志ば漬本舗では自社農園において原種を守るための区画を設置することでこの貴重な素材を守りつづけています。
「ちりめん赤紫蘇」は2月の寒い時期に種がまかれ、手作業による間引きや植え替えなどを経て、丁寧に育てられます。特に植え替えは重要な工程であり、「志ば漬」を全員で守っていくという意味も込めて社員が総出で参加する会社行事になっています。6月の後半からは刈り入れの時期となりますが、その日の「志ば漬」づくりに必要な分だけを刈り入れ、新鮮なものだけを漬け込みます。

夏野菜と塩、そして「ちりめん赤紫蘇」のみ。
シンプルな素材だからこそ大切な伝承と製法。

「志ば漬」の素材は夏野菜と塩、そして「ちりめん赤紫蘇」のみです。とてもシンプルな素材だからこそ、素材の質と漬け込みの良し悪しが問われます。
土井志ば漬本舗の「志ば漬」には、茄子を使います。JA京都やましろ管内の生産農家で栽培された新鮮な茄子を使用し、ひとつひとつを丁寧に漬け込みます。生産農家の方々は長いお付き合いを通じて、良いものを作ろうとする高い意識をお持ちです。収穫の直前まで肥料を与えて栽培された茄子はどの時期に収穫しても柔らかく、「志ば漬」の味と食感にかかせない優れた素材となります。
茄子と塩、そして「ちりめん赤紫蘇」を自社工場で長年使用されている漬け樽に漬け込むのですが、この漬け込み作業には多くの伝承や長年の経験によって磨き上げられた技術が込められています。
コンベアによって桶の中に運ばれた素材は中央部分だけが盛り上がってしまうため、重石の重みが均等にかかるように平坦に配置していきます。また、昔の人が「石には顔がある」と表現していたように、それぞれ形の異なる重石をうまく積み上げていくのも大切な製法の一部です。
桶の内側で素材と触れる部分のことを、桶肌といいます。桶肌に触れる部分の「志ば漬」はわずかに変質しているため、これを削ぎ落すことで土井志ば漬本舗が自信を持ってお届けする「志ば漬」が生まれます。

洗浄

脱穀機で葉のみを収穫

茄子にちりめん赤紫蘇と塩を加える

漬け込み

大原の里人が大切にしてきた
伝承と製法によって、
素材に「志ば漬」の命を吹き込まれる。

漬け樽の中では、重石と塩分によって水分が排出され、乳酸発酵が進みます。時期によって異なりますが、漬け込みより30日程度で樽出しとなります。
乳酸発酵には乳酸菌の働きが必要になりますが、漬け込み時の材料に乳酸菌は含まれていません。長年使いつづけてきた漬け樽の中や空気中にある乳酸菌が漬け樽の中で作用し、発酵を進めてくれるのです。
この乳酸菌が「志ば漬」をおいしくしてくれるには温度も重要なので、こうした乳酸菌や温度は、いわば大原の自然がもたらす「第四の素材」です。
この30日間の漬け込みを経て特産の素材に、「志ば漬」としての命が吹き込まれていきます。

ひとつひとつの「志ば漬」に心を込めて、
お客さまのお手元へ。

大原の自然が育み、命が吹き込まれた「志ば漬」は衛生管理が徹底された自社工場においてひとつひとつ丁寧にパッケージされ、お客さまの手に取っていただける商品となります。
私たちがご用意しているたくさんの「志ば漬」も、お客さまにとっては一箸、一箸を豊かにしてくれる一品です。その思いを常に大切に、「安心・安全でおいしいものを食べていただきたい」という思いを込めてお客さまのお手元にお届けしています。
土井志ば漬本舗の自社工場は自由に見学していただくことができます。衛生管理が徹底され、味や香りを損ねることなく丁寧にパッケージされていく「志ば漬」づくりの最終工程をぜひご覧になってください。