社長ブログ
日常
2026.03.02
125年目の挑戦。「志ば漬」を100年先の未来へ
いつも土井志ば漬本舗に格別のご愛顧を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
代表の土井健資です。
洛北・大原の地に暖簾を掲げ、明治三十四年の創業から百二十五年。 初代・土井清太郎の「大原の地に感謝し、よそには真似できないものを作る」という信念を胸に、私たちは幾世代にもわたり、志ば漬を始めとするお漬け物、そして豊かな自然と静かに向き合い続けてまいりました。
おかげさまで長きにわたり歩みを進めてこられましたが、今、私たちの志ば漬づくりは、その根幹を揺るがすようなかつてない危機に直面しております。
これまで何十年もの間、大原の味を醸し育ててきた「木樽(きだる)」。その木樽が老朽化により限界を迎えようとしているのです。
管理や維持が容易な、樹脂製の樽へ切り替えることは決して難しくありません。 しかし、木樽に棲みつく乳酸菌が呼吸し、大原の気候風土と調和することで生まれる「生きた発酵環境」を手放せば、私たちが守り抜いてきたあの奥深い酸味と芳醇な香りは、ここで失われてしまいます。
建礼門院様の時代から八百年続く大原の伝統的な味、すなわち「本物の味」を、効率や合理性という時代の波に迎合し、ここで終わらせてよいのだろうか——。
葛藤する私の背中を強く押してくださったのは、他でもない、日頃から皆様にお寄せいただく数々のお言葉でした。
「幼い頃、祖母の家で必ず食卓にあった味なんです」
「小学校の工場見学で訪れたことが忘れられず、大人になった今もずっと買い続けています」
当店の志ば漬は、特別な日の豪勢なご馳走ではないかもしれません。しかし、皆様の何気ない日々の暮らしに寄り添い、ご家族のあたたかな団らんや、かけがえのない懐かしい思い出とともに深く息づいている。 その事実に改めて触れたとき、私の中にひとつの強い覚悟が生まれました。
これまで支えてくださった皆様の記憶に刻まれた大切な味を、まだ見ぬ百年先の子供たちへ、何としても残し伝えなければならない。
当店のしば漬けは「志ば漬」と記します。これには、大原の里人たちの「志を漬ける」という優しい精神が込められています。 百二十五年目の今年、私たちはこの名を体現すべく、新たな志を立て、本日よりクラウドファンディングという前例のない挑戦に踏み出しました。
これは単なる資金の募集にとどまりません。私たちがどのように大原の自然と向き合い、手仕事の灯を守り続けているのかを知っていただくこと。そして、大原の食文化を皆様とともに未来へ紡いでいくことが、私たちの切なる願いです。
木樽がふたたび命を吹き込まれ、新たな志ば漬を醸すまでの「再生の物語」。 どうか皆様のあたたかいお力添えを賜り、私たちとともにこの歩みを進めていただけないでしょうか。
本プロジェクトの詳細や私たちの想いは、下記の特設ページに綴っております。ぜひご一読いただけますと幸甚に存じます。 皆様からのご支援、そして温かい応援を、心よりお願い申し上げます。
■ クラウドファンディングの挑戦について
・ご支援募集期間: 2026年4月28日(火)午後11:00まで
・目標金額: 500万円
・プロジェクト特設ページ: https://readyfor.jp/projects/doishibazuke
プロジェクト実行責任者 株式会社土井志ば漬本舗 代表取締役社長 土井 健資


